「おはようございます」
「あ、おはよう」
「この時間の駅で会うの、珍しいですね」
「そだねー、ぼくいつも遅刻ギリだしねぇー」
「うふふ。そういう意味じゃないですよー」
「しっかしさっぶいねー」
「そうですね、急に冷えましたね」
「こういう寒い日は……」
「こういう日は?」
「あったかいコーヒーでも飲みたいですなぁ」
「そうですね、カプチーノとか」
「おっ、わかってるねぇ。あのモコモコの泡がいいんだよねー」
「ですね。……うふふ」
「ん……なんか変なこと言った?」
「モコモコの泡が好きって、なんだかかわいいな、って」
「かっ……かわ……?」
「わたしも好きです。モコモコの泡」
「そ、そう」
「カフェとか行くんですか?」
「ん、あ、ああ、うん。あんまり外でないから、出かける理由作りで。……なんかOLっぽいとか思ったでしょ」
「いえ、そんなこと思ってませんってば」
「そうー?別にいいけど」
「ふふ」
「……どしたの」
「なんかふてくされてるのもかわいいな、って」
「なっ、ちょっ、何言ってんの。なまいき!」
「きゃあ、ごめんなさい」
「ま、いいけど……」
「ふふふ、またふくれっ面」
「おいっ」
「キャッ、ごめんなさーい。じゃあ、おわびに、今度おすすめのカフェに連れてってくださいよ」
「……それのどこがお詫びなの」
「一杯だけなら私がおごります」
「よっし。じゃあ土曜日に行こうと思っていたカフェがあるけど、一緒に行く?」
「えっ……!?えっ、ほんとに?」
「なんだ嘘だったのか」
「ど、土曜日って、あ、明日ですよね、そんな急に!?」
「予定あるなら別にいいよ」
「いー、いきます!いきましょう!」
「んじゃ、明日の1時に駅集合でー」
「は、はい!!」