「やっぱりって何よ」
「いえ、普段からよく本読まれてるじゃないですか」
「んー、休みの日とかは家でゲームしたりとかかなぁ」
「あっ、ゲームとかするんですか?」
「昔は中毒くらいだったけどね、最近はほどほどに」
「へぇー、わたしゲームあんまり詳しくないんです……」
「そう……あー」
「どうしたんですか?」
「いや、やっぱないしょ」
「えー、気になります。なんですかー?」
「いや、趣味っていうか、練習中なんだけど、いま楽器やってたなぁ、って……」
「えっ、楽器?」
「うん……ギターとベースと、あとウクレレ……」
「すごい!多趣味!」
「いやいやいや、習ってるだけで、腕は全然……」
「でも習ってるだけでもすごいです、わたしなんか、習い事何もやってなくて……」
「まあ遊びだよ遊び」
「でもいいなぁ、楽器、私もやってみたいなぁ……」
「一緒に通う?」
「えっ、だっ、だめですっ、わたし楽器もってないし不器用だし一緒にだなんてそんな……」
「んー、いいと思うけどなぁ、通ってるひと、みんな弾けない人ばっかりだよ?」
「でも、人前で弾くの恥ずかしいし……」
「んー……じゃあ、教室じゃなくて、ぼくがウクレレ教えたげようか?自分も弾けるわけじゃないけど、簡単なコードくらいなら教えられるかな……」
「えっ……えっ、ほ、ほんとですか……?」
「うん、いいよ。2本あるし、どっか広い公園とかで、今度練習しようか」
「は……はい!!」