petit amour

まゆかのこと。

ぜんぶおさけのせい

(……っと、いつもの店だよな)

ヨロッ……

(あー……だーいぶぼくもきとるね)

(ん……)


(……駅まで送ってもらっちゃった)

(……あとでごめんなさいってメールしなきゃ)

(……)

クルッ

(……あっ、よろよろしてる)

(……大丈夫かなあ)


(……格好つけたはいいがぼくもやばい)

(そもそも酒に弱い。しってる)

ヨロヨロ……

(おー、なんだー、ふわふわするぞー)

ヨロヨロ……ズッ

「ふぇっ!?」
「あぶないっ!」

ポスッ……

「あ、あれ……、まだいたの」

「ちょっとベンチでやすみましょう」

「あー大丈夫大丈夫」

「だめです!」

「っ……おこんなくても」

「す、すみません、でも、怪我しそうだから、少しだけやすみましょう?」

「お、おー」


「……大丈夫ですか?」

「うんー、暖かくて気持ちいい……んー?」

「……」

「……っぬ!?」

ガバッ

「ひひひひざまくら!?なんで!?」

「だめです!少しだけ休んでてください」

「えっ……えっ?……うぷっ」

「ほら、気持ち悪いんでしょう?」

……コクリ

「もう少し横になっててください……」

「うー……」


「……さっきはありがとうございました」

「……んー?」

「なんか抜け出しづらくて……はっきり言えばよかったんですけど」

「あー……」

「昔からこうなんです。だれかに助けてもらわないと、自分では何にも言えなくて。やんなっちゃうなー……」

「んー、じゃあ助けたげるよー」

「え?」

「だれかがアシストしてもらえばいいんでしょー?じゃー僕がその役やるわー」

「ほっ……ほんとうですか?」

「うんー、がんばろー……」

「はいっ……ありがとうございます。あの……お酒のせいに出来る今だから、言います。……だ」

「……んー」

「だ……大好きです……!」

「んー、ぼくも大好きだよぉー……」

「えっ……えええええええええええっっっ!?」

「うんー、だからがんばろぉー……」

「あ、あの、いま、い、いまの、ほ、ほ、ほんとうに」

「……」

「ああああやっぱりいいですはわわわわはずかしいあわわわわ」

「……」

「……あ、ああ、あの……すごく……しあわせです……!!」

「……」


「……」

「……」

「……ふわぁっ!」

ガバッ

「キャアっ!」

「……あ、あれ?なんでいるの?」

「……えっ」

「あれ……寝てた?」

「はい」

「うっわやっべめっちゃ怒られる、ぼく寝てた?うっわ……あっ、終電は?」

「あ、まだ大丈夫です……」

「そう、んじゃ、ぼく戻るから」

「……えっ、どうして」

「……えっ?」

「あ、いえ……」

「……んー……?」

「あ、あの、さっきの、すごく……その……嬉しかったです」

「……えっ、何?」

「えっ……」

「あ、あれ?ぼく、なんか言っ……」

「おぼえてないんですか?」

「……何がでしょう」

「……おぼえてないんですか?」

「……すみません」

プルプル……

「あの、ごめん、ぼくはー、一体何を」

「知りません!もういいです!お疲れ様でした!」

クルッ……

タッタッタッ……

「あー……やらかしたかねえ……」