petit amour

まゆかのこと。

おてつだい(christmas episode 1)

「いらっしゃいませー、クリスマスケーキ販売中でーす」

「まゆかちゃん、ほんとごめんねぇ」

「う、うん、大丈夫。ちょっと恥ずかしいけれど……」

「えへへ、まゆかちゃんの服のサイズ聴いててよかったー」

「え、えええっ、こっ、これ、私用に合わせたの!?」

「ふふーん。手伝ってくれるって言ってくれた時にネットで即注文しちゃいましたー」

「そ、そんな、私、予定入ったら断るって言ったのに……」

「ほっほーう、予定入るかもしれなかったのー?」

「あう、それは……」

「あはは、ごめんごめん。その服も今日のバイト代で上げるから勘弁してねー」

「えええっ、これ、貰っても、私どうしたら……」

「好きな人出来たら見せたらいいじゃーん、喜ぶかもしれないよー」

「……」

「……顔真っ赤、想像しすぎ」

「っ!!ち、ちがうー!」

「あはは。あ、いらっしゃいませー、ケーキいかがですかー」

「あ、いらっしゃい……ま……」

「……」

「ん、どうかされましたか?……あれ、まゆかちゃん?」

「……何してんの」

「は、はい……」

「あれ、まゆかちゃんの知り合い?」

「うん。職場の……。うう、どうしてここに……」

「いや、ちょっと行きたい古本屋があったから、買い物ついでに……」

「あー……うちのカフェ、今年はケーキも売ろうって話になったんですけど、人手が足りなくて。まゆかちゃんにお手伝い頼んだんですけど……」

「あー、そういうことでしたか……。お世話になってます」

「ああ、どうも……。なんか、まずかったですか?」

「いやー、まあ、このあたりぼく以外来る人間そんなにいないだろうし、べつに会社的になんかまずいとかもないと思うし、その辺は大丈夫だと思いますけど……」

「あ、そうですか、よかったー、うちのせいでまゆかちゃんが会社でえらいことになったら、と思ってちょっとひやひやしちゃいましたー」

「あはは、それはないですよ。ぼく雑ですし、細かいこと気にしませんから」

「だってさ。よかったね、まゆかちゃん。……まゆかちゃん?」

「……」

「んー、顔真っ赤だよ?」

「あー、なんかお手伝いの邪魔しちゃったみたいで、ごめんね。えと、じゃあ、せっかくだから、小さいケーキひとついただけますか」

「あ、はい、ありがとうございまーす。……まゆかちゃん、ほら、包んで」

「あ、うん……」

「……」ぽりぽり

「……あのー、先輩さん、なのかな?」

「え、はい、そう……ですね、一応」

「きょうはまだどこか行かれるんですか?」

「え、いや、もう予定がなくなったので帰るところですけど……」

「あー、だったら、このケーキとコーヒーサービスしますから、うちでゆっくりしていきませんか?」

「……え?」
「……え?」

「まゆかちゃんもそろそろ休憩入ってー、客足も少し落ち着いたし、中入って。カフェラテとケーキ用意するからー」

「え、ええええ?」
「え、いいんですか?」

「どうぞどうぞ、コーヒー代はまゆかちゃんのバイト代から引いときますから、というわけで、ささ、どうぞー」

「えええええー!!?」