「お疲れさまー」
「おつかれさま、全部売れたね……」
「だねー、休みとか返上して仕込み続けた甲斐がありましたってもんよねー」
「うん、それじゃあ、着替えてくる」
「えー、その格好でいかないのー?」
「!!?い、行けるわけないよ!!」
「そっかー、残念。あっじゃあ、最後に写真……」
「ダメッ!」
「ちぇー」
・
・
・
「うん、それじゃあ」
「うん、ほんと助かった、ありがとねー。どっかで待ち合わせ?」
「これから連絡してみる。だいたい今くらいに来てくれるって言ってたけど……」
「ほっほーう、やさしいねぇ」
「うん……」
「(……とうとう否定もしなくなったねぇ、この子)」
「えーと……番号……」
「……あ、来たんじゃない?」
「えっ?」
ガチャッ
「あっ……」
「どうも」
「あー、おかえりなさーい」
「もう終わりました?」
「はいー、おかげさまで完売ですー」
「へぇ、それはすごいですね」
「やっぱりサンタさん効果かしら、ねぇ〜?」
「ちょ、ちょっと……」
「あはは」
「ちょっ、笑わないでください……」
「ごめんごめん」
「片付けももう終わって、そろそろ閉めるところだったんですよー。えーと、これから食事行くんですよね?」
「あ、ええ、お互い予定ないんで、ここであったのもなんだし」
「いいなー、楽しんできてねー」
「あ、せっかくだしご一緒にどうですか?」
「えっ」
「えっ」
「……えっ?」
「あっ……いえ……」
「あー……あー、すみませんー、行きたいんですけど、ほら、お店の片付けとかあるんでー、わたしもうちょっと抜けられないんですー」
「え、片付け終わったんじゃ……」
「あー、いや、ほら、お店の片付けは終わったんですけど、売上の清算とかそういうのがまだあるんで。お店閉めてからもちょっとまだいろいろあるんですよー」
「あー、そうですか……あ、じゃあどっかで時間つぶして……」
「あー、いやいや!だいじょうぶです!申し訳ないんで!家に食事の用意もあるんで!すみません、今日は遠慮しときます!!ごめんなさい!!」
「そ……そうですか」
「すみませんねー、また次の機会あったら是非ご一緒させてくださいー」
「ええ、ぜひぜひ。……じゃあ、いく?」
「は、はいっ」
「いってらっしゃいー、ありがとうねー」
「うん、おつかれさま……」
「(しっかりね!)」
「(えっ……?)」
「(思ってた以上に鈍感っぽいから、大変だゾ!)」
「(ちょっ……何言ってんの!!)」
「んー、どうしたの?」
「あっいえいえ!」
「あっいえいえ〜」
「それじゃ、失礼します」
「じゃあ……」
「はーい、おつかれさまー」
バタンッ……。