petit amour

まゆかのこと。

カフェ納め

「じゃあ、あらためまして、今年一年お疲れ様でした」

「おつかれさまでした。堅苦しいですよう」

「そですね」

「うふふ。もう今年も終わっちゃいますね」

「もう明日までだもんなー」

f:id:Borom:20141230162223j:plain

「そうですね。大晦日はどうされるんですか?」

「家でガキ使みてる」

「うーん、なんだか味気ないなぁ」

「んー、じゃあ味気のある大晦日ってのはどんななんですか」

「えっ……と、紅白歌合戦とか……」

「それもテレビやないかーい」

「はうぅ、ごめんなさいー……あれ、ご実家には戻られないんですか?」

「ん?うん、電車で1時間もかからない距離だし、実家いるとすることなくて、気が滅入っちゃって……」

「そうですか」

「そっちはお正月忙しいの?」

「うーん、向こうにいたころは、大掃除とか、おせちのお手伝いとか、ずっとやってました」

「ええとこの子ですなぁ……」

「そんなんじゃないですよう……おせちとかやらないんですか?」

「ん、うちはもうやってないなあ。親が面倒くさがってるし。いまどきは百貨店でおせちセット買えるけどね、そんなの買うくらいなら、もう普通に飯作ればいいじゃん?って思うし……」

「うーん、なんか寂しいような……」

「まあ伝統が途切れる感は寂しいものがありますなぁ。ってうちが勝手に途切れてるだけで、文化としてはまだちゃんと残ってるっしょ」

「でも、お正月くらいちゃんとおいしいもの食べて欲しいです」

「……その普段美味しいもの食べてないような……まあ食べてないな」

「もう……」

「お正月はいつまで?」

「えと、3日の夜に出て、4日の朝には戻ってきます」

「え、てことはすぐ次の日から仕事?」

「そうですよ」

「しんどくない?」

「うーん……2日の夜に戻ってもよかったんですけど、おじいちゃんおばあちゃんと一緒に過ごしたいなって思って」

「ふーん、えらいねぇ」

「挨拶まわりとかしないんですか?」

「んー、うちはもう父方のばあさんしか残ってないし、親戚は数こそ多いけどコンタクトは皆無だし、いとこの名前すら知らなかったりするしで、あんまりそういうのもないなー、親戚一同は元日集まってるみたいだけど、自分は気ままに初詣行きたいし」

「うーん、ますます心配です」

「ん、何が?」

「なんかよくわからないけど、ほんとにそんなのでいいのかな、って……」

「あー、いいのいいの。うちは結構ザツだから」

「うーん……あっ」

「ん?何?」

「約束」

「ん?」

「ほら、初詣の……」

「あー、ちゃんと覚えてますって」

「ちゃんと写真送ってくださいね」

「……はいはい。マメだなぁ」

「私も写真送りますからっ」

「楽しみにしております」

「うふふ」

「嬉しそうじゃん」

「楽しみにしててくださいね」

「んー……?」