petit amour

まゆかのこと。

ペット

「そういえば」

「うん?」

「ねこ」

「ああ」

「えーと、あんずさんでしたっけ」

「うん」

「大好きなんですね」

「はい」

「でもうちのジロさんも……」

「あんずのほうがかわいいです」

「……」

「……何さ」

「いや、淡々とあんずさんへの愛をかたるんだなと思って」

「ねこバカですから」

「飼ってるねこは一匹だけなんですか?」

「飼ってるつっても実家だけどね。昔はもう一匹いたけど、もうずいぶん前にお空の上へ行っちゃったので、今は一匹のみだねぇ。あんずももういい年でおばあちゃんだけど」

「そうなんですか」

「実家だから頻繁には行けないけどね、あんずもそんなに長くないから、機会あるかぎり世話して愛でてやりたいなぁ、なんてね」

「はあ、やさしいなあ。わたしもタロさんとジロさんがそばにいればいいのにな……」

「まあ、遠いとねぇ……」

「はぁ……」

「こっちでなんか飼わないの?」

「うち、ペット禁止なんです……それに今はそんな余裕も……」

「そう……」

「……」

「……気晴らしに今度遊びに行こうか」

「はい……」

「……」

「はぁ……」

「……よしよし」

「……わたしをペットみたいに言わないでください」

「すいません」

「……ふふっ」