「ふー、もどりました」
「ん、コンビニ?」
「はい、おやつ買ってきました」
「なに?」
「ピノです」
「ふむ」
「ひとつ食べます?」
「じゃあください」
「はい、お先にどうぞ」
「じゃあ遠慮なく……」
ペリペリ……
「……あっ」
「?」
「ハートのピノ入ってる」
「えっ」
「ほら」
「あ、ほんとだ!」
「じゃあこれもーら……」
「……」
「……」
「……」
「……普通のいただきます」
「ど、どうぞ……」
パクッ
「……じゃ、ハートのどうぞ」
「は、はいっ……」
「……」
「……」
「……溶けちゃうよ」
「た、たべます……」
パクッ
「……」
「おいしいですか」
「……」
コクコク
「……うぅー、しあわせー」
「そう、それはよかった」
「ハートのピノって、普通のピノより美味しいって思いますよね」
「……えっ?」
「なんか製法とか違うのかなぁ……」
「ねえ、プラシーボ効果って知ってる?」
「え、なんですか?」
「いや、なんでもない」
「そうですか。……ふふん」
「……よかったね」
「はいっ」
— sumimaro (@sumi_maro) 2015, 1月 8