「そういやさ」
「なんですか?」
「普段家でなにしてるの?」
「え、本読んだり、紅茶いれたり……」
「ふーん」
「どうしたんですか突然」
「いや、なんとなく『テレビあんまり見なさそう』とか思って」
「あっ、なんですかそれ、勝手にイメージつかちゃってますか?」
「そうですね。じゃあテレビ見るんだ」
「いえ、あんまり」
「あ、そう……」
「テレビ見るんですか?」
「いや、ぼくもあんまり見ないかなぁ」
「だと思いました」
「お互いわかりやすいね」
「ですね。普段は何してるんですか?」
「本読んだり、コーヒー淹れたり……」
「……」
「……う、うん」
「あはは……」
「あ、でもほら、コーヒーはちゃんと豆から淹れてるから」
「へぇー、まめですねぇ」
「……だじゃれ?」
「?」
「豆だけに」
「あ……も、もうっ」
「違ったのか」
「違いますっ。でも、コーヒー入れるのお上手そうですね」
「そう?そんなイメージある?」
「はい、だって素敵なカフェいっぱいご存知ですし」
「いやいっぱいってわけじゃ……。コーヒー、あんまり家で飲まなさそうだよね」
「はい……自分で入れても美味しくないし、インスタント飲むと気持ち悪くなるし……」
「気持ちはわかるけど、ぜいたくな悩みですなぁ」
「インスタント飲むんですか?」
「面倒なときは飲むよ」
「へぇー、意外。こだわってそうなのに……」
「こういうのは使い分けです。つってもインスタントよりドリップバッグが多いけどね」
「やっぱりこだわってるじゃないですか」
「そうかねぇ、インスタントの延長くらいかと思ってたわ」
「そういうのをこだわってるっていうんです。私も上手にコーヒー淹れたり、美味しいコーヒーの味覚えられたらなぁ」
「じゃ、そのうちぼくが良く行くコーヒー豆屋さん連れてったげるよ」
「ほんとですか?」
「うん。美味しい豆で頑張って淹れてくれたまい」
「はいっ。じゃあ、いつか淹れ方も教えてください」
「あいよー」
「ありがとうございますっ」