「今日からとりあえず1ヶ月、かな?仕事のことを教えて行きますので、どうぞよろしくお願いします」
「よっ、よろしくお願いしますっ!」
「当面はOJT……ってわかんないな、実務半分で仕事を覚えていってもらおうと思いますので、新入社員教育とは勝手が違うと思いますが、慣れていっていただければと思います」
「は、はいっ」
「……緊張してますか?」
「は、はい、すみません」
「んー、謝らなくていいよ、多分、半分はほったらかしになっちゃうから……」
「は、はい……」
「えーと、んじゃ、まず簡単な素材作り通じて、仕事を覚えていってもらおうかと思います。アプリの使い方は一通りわかる?」
「は、はい、学校で一通りやりました……」
「よろしい、じゃあ、とりあえず今回の基本的な企画書に目を通しておいてください。読み終わって内容理解した、って思ったら、また声を掛けてくれますか」
「わ、わかりました」
「あと、肩の力抜きなー、資料読みだけで体力消耗しちゃうよー」
「はい……」
「そうかー……」
「……?」
「学校で習うもんなんだねー、俺そういう学校じゃないから、全部独学だったわ……」
「そうなんですか?」
「なので、あんまりぼくの言うことを間に受けすぎないように!」
「は、はい」
「……冗談だったのに」
「え、えええ、あああ、す、すみません!」
「……面白い子だねぇ」
「えっ?」
「いや、なんでもない。そんじゃ、よろしくー」
「はい!」
(……優しそうな先輩でよかったな)