petit amour

まゆかのこと。

さいしょのこと・2

「あの、読み終わりました」

「ああ、はいはい、おつかれさま。どう?内容理解した?」

「は、はい、多分……」

「よしよし。じゃ、さっそくおねがいしたい作業なんだけど、えーと、メモしておいてください」

「あっ、はい」



「……っていう感じかな。どう?だいじょうぶそう?」

「多分……」

「んー、だめだよ、多分とかじゃ。今の時点でわかってるなら、わかりました、でいいからね。あとからわからない場所が出てきたら、そんときはすぐ聞いてくれたらいいから」

「はい……」

「……緊張しとるねぇ。えーとだね、ぼくらはチームなわけで、ぼくはあなたの先輩ではあれど、先生ではありません。課長も、上司ではあるけど、先生ではないからね。んで、ぼくらは、仕事で作るもの……まあ成果物とかいう言い方するんだけど、それの品質を上げるのが、チーム全体の目的のひとつでもあります。このミッションをこなすためには、各自が協力しあってやっていかねばなりません。なので、わからないことがあるとき、なにかがあったときは、教えを乞うとか、そういうんじゃなく、報告し、連絡し、相談する。よく言う『報連相」ってやつね。そういう感じで、チームで問題や状況を共有し、よりよい成果物に仕上げるという意識を持つことが大切なのです」

「……」

「どう、わかった?」

「え、ええと……」

「うん、だとおもった。ぼくも言っててわかんなかったもん」

「え……」

「わはは。こんなの怒られないとわかんないわなー、ぼくも何べんあの人……今の課長に怒鳴られたことか」

「……ふふっ」

「うん、やっと笑いましたな。そんな風に少しずつなれてけばいいから。口でミッションだなんだつったって、やってるうちにわかってくるもんだから」

「はい」

「わかりましたか?」

「ええと……」

「……」

「は、はいっ」

「よしよし、じゃあ、とりあえず説明した通りの作業をお任せするんで、また出来たら言ってくださいねー」

「わ、わかりました!」