petit amour

まゆかのこと。

突撃 (St. Valentine's Day Episode 7)

「そう、でそのドラマってのが1回1回でちゃんと完結で見やすくてさ」

「へぇ、今度私も見てみようかな」

「うん、真面目で堅苦しそうだけど、見てると結構はまるよー」

「仲いいねぇ相変わらず」

「あ、マスターさん」

「まーそうだねぇ、仲悪いと会社のない休みの日に同僚とお茶なんてしませんて」

「ほんとにそれだけかねぇ?」

「……」

「あ?」

「おー、こわ……そんな顔してるとまゆかちゃんに嫌われますよ、と」

「ぐ……」

「はう……」

「わはは、まあ、せっかくのバレンタインですし、ごゆっくりー」

「おのれ、せっかく最初の妙な空気が解けてきたというのに……」

「あ、あのっ……」

「ん?」

「なんか変な流れになっちゃいましたけど、これ」

「え、あ……」

「あの、昨日の夜作ったんですけど、よかったら召し上がってください……」

「え、手、手作り……?」

「はい、みずきちゃんにつくり方教えてもらって……」

「はー……」

「あの、手作りじゃないほうがよかったですか……?」

「ううん、違う、あの、ありがとう、うん、ほんと、すごくうれしい、うん」

「そ、そうですか……」

「あの、ほら、ぼくって、手作りとか、もらったことないじゃない?だから、ね?」

「そうなんですか?」

「そう、そうなんです、うん。はあー……」

「どうしたんですか?」

「いや、人生捨てたもんじゃないな、って」

「ふふ、大げさですよ」

「ほんと、ありがとう。帰ってから、じっくり味わっていただきます」

「はいっ」