petit amour

まゆかのこと。

こじらせる

「……グスッ」

「え、どうしたの?なんかあった?」

「あ、いえ、この本読んでたら、感極まってというか……」

「ふむ?そんなに面白いの?」

「はい、読みますか?」

「ぜひ、読み終わったら貸してください」

「はい、いいですよ」

「ふーん、泣けるほどの本、ねえ。ヒロインが死んじゃうとか?」

「んー、そんな感じです。少し違いますけど。内緒です」

「まあ、読んで確かめます」

「でも、私が死ぬときとか、誰かそばにいたり、泣いてくれたりするかな……」

「また厨二病みたいなことおっしゃる」

「だって、やっぱりきになりますよ」

「まあ、最低一人はいると思うよ」

「え?」

「でも、その人のために、できれば長生きしたほうがいいよね」

「うーん、最低一人?」

「死んだりして悲しむ人がいることは素敵かもしれないけど、悲しませることはそんなに褒められたものじゃないからさ」

「はあ」

「というわけで、元気でこれからも行きましょう」

「はい。……?」