petit amour

まゆかのこと。

あの頃。

「……ねえ」

「何?」

「これ何年?」

「ん……1274年」

「と?」

「……」

「……」

「……1281年」

「サンキュ」

「お前、勉強詳しいんじゃなかったの」

「あー、あたし日本史はちょっと……」

「みさおちゃん、社会はあんまり、だよね」

「そう、国語とか数学とか、考える系は出来るんだけど、覚える系はねー」

「記憶力ないんだな」

「ちょ、今なんつったー!?」

「まあまあ……」

「ったく、これだから最近のノブは……」

「最近のって、人をステレオタイプみたいに言うな」

「あらー、ステレオタイプなんて言葉知ってるんだ、ノブのくせに」

「お前なんだよばかにしてんのかよ」

「まあまあ……」

「……ったく」

「……ふふ」

「うん?」

「どうしたの?まゆか」

「二人とも、本当に仲良しだな、って」

「っ!」

「ちょ、ちょっと、何言い出してんの!」

「えっ、違うの……?」

「違う違う!誰がみさおみたいな……」

「私みたいな?何よ?」

「う……そ、そういうピリピリした性格のやつなんか」

「あたしだってあんたみたいな歴史バカなんか別にどうでもいいんだから」

「いや、私は、二人ともいい友達だなぁ、って思っただけで……」

「え」

「あ、そ、そう。ま、まあそうよね、こいつは優しいとことかあるしね」

「え、あ、お、お前もそう、だな、しっかりしてていいやつだよな」

「……?」

「ははは」

「ははは」

「……ふふ(なんかおかしいけど、本当に仲いいなぁ)」