petit amour

まゆかのこと。

メガネ

「あら、まゆかちゃん、メガネどうしたの?」

「……?」

「今日はコンタクト?」

「えと……」

「どうかした?」

「……たまき、先輩……?」

「そうだけど……」

「あ、あの、うっかり、メガネ、席に置いてきて……」

「うん?」

「その、あの、お手洗いに行って……」

「う、うん」

「その、メガネないと、誰だかわからなくて……」

「だ、大丈夫?」

スタスタ……

「……あっ、いたいた」

「あ、先輩!」

「(……それはメガネなしでもわかるのね)」

「あ、お疲れ様です」

「お疲れ様」

「ほら」

「あ、メガネ」

「この子、メガネないと途端に無口になるんですよ。面白いでしょ」

「ちょっ、や、やめてください、変な風に言うの」

「……まあ、確かに面白いわね。色々と」

「色々?」

「そう、色々。あなたのこととか」

「へ、ぼく?」

「……ちょっとイヤになるくらいね」

「……なんか気に触ることでも」

「あー、違う違う。気にしないで。ほら、とっとと仕事に戻る」

「はい、お疲れ様です」

「あ、お、お疲れ様です」

「はい、お疲れ様」

……。

「……色々って、なんのことだろう」

「さあ……私もよくわかんないです……」